折鶴のチラ裏 -Expansion-

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2020年ベストソングを決める -Expansion-

気が付けば色々あった2020年ももう終わり・・・ということで、昔からやろうやろうと思ってはやらずじまいだった「年間ベストソングを決めよう」をやってみたいと思います。

レギュレーションは以下の通り

  • 期間は2019年末くらい~2020年12月頭くらい(去年やってないから大体で)
  • 楽曲部門は既発曲の再収録、リアレンジなどは含めない
  • ランキングに多様性を持たせるため、1アーティストあたり1作品のみ
  • あくまで主観。知らないだけで他にもいい曲いっぱいあると思います

ランキング形式で紹介するのはTwitterのほうでやってるので、こちらはシンプルに1位から羅列します。

楽曲部門

  1. ナイスポーズ / RYUTist
  2. 青春病 / 藤井風
  3. 水生 / CYNHN
  4. 猫ちぐら / スピッツ
  5. フィラメント / ヤなことそっとミュート
  6. あまい夢 / 上田麗奈
  7. ハミダシモノ / 楠木ともり
  8. turn over? / Mr.Children
  9. I LOVE... / Official髭男dism
  10. お勉強しといてよ / ずっと真夜中でいいのに。

 

1位:ナイスポーズ / RYUTist


ナイスポーズ

 今年に入ってから本格的に聴き始め、すっかりハマってしまった新潟発のアイドルグループRYUTistによる、個人的年間MVP曲。シンガーソングライター柴田聡子さん提供。妙な譜割り、聞いてるだけでどんどん情景が目に浮かんでくる歌詞、ストンプやクラップを随所に散りばめたコミカルなサウンド、曲の終盤に向けて次第に盛り上がりを見せていく展開、そして最後の「ナイスポーズ!」どれをとっても今年はこの曲が一番おもしろかったです。コロナ禍でほとんど人前で披露されていないのが本当に残念。いい曲です。 

 

2位:青春病 / 藤井風


藤井 風(Fujii Kaze) - "青春病(Seishun Sick)" Official Video

  今年出てきた、改めて説明するまでもないくらいのすごい新人。といってもYouTube界隈では以前から有名なピアニストだったそうですが… いきなり10月に単独武道館公演までたどり着き、そこで披露された新曲がこれ。今年最も聴いたのは「何なんw」だったと思うのですがリリース的には昨年だったので、今年の曲ということで。良さをうまく表現する語彙が出てこなくてアレなんですがとにかくセンスがありまくりです。楽曲の構成もAメロBメロに留まらず、なんとFメロまであるという展開の豊かさ。来年も注目の一人です。

 

 

3位:水生 / CYNHN


CYNHN「水生」Music Video

 今年はアイドルばっかり聴いてたんで恥じずに差し込んでいきますよ。「青」をコンセプトにして、衣装やライブ演出、歌詞など随所に青要素が盛り込まれている5人組グループ。コンセプトがはっきりしてるのでどの楽曲も統一性が高くてとても良いのですが、そんなCYNHNを代表するといってもいい曲になったのがこれ。アニソン界隈ではいろいろ楽曲提供されている渡辺翔さんがプロデュースしていて、サウンドとしてはジャキジャキ鳴りまくるギターとスラップたっぷりのベースで聴きごたえたっぷり。全編通して色々な青を感じられるMVにも注目。月雲ねるちゃんがかわいいです。

 

 

 4位:猫ちぐら / スピッツ


【LIVEWIRE】スピッツ| 猫ちぐら ver.【SPECIAL MOVIE】

いろいろ暗い一年だったけど、スピッツの新曲があるだけで救われる。外出自粛期間中に、各メンバーが顔を合わせずにそれぞれの環境で録音したものをミックスして作成した・・・というバックグラウンドを感じさせないくらいには、スピッツ特有の安心感を味わえる曲です。来年からもそんなゆったりしたスピードでスピッツには活動していってほしいものです。

 

5位:フィラメント / ヤなことそっとミュート


ヤなことそっとミュート - フィラメント【MV】

まだあるアイドル枠。グランジシューゲイザーなどオルタナサウンドにアイドルのボーカルを乗せるというコンセプトなグループ。過去の曲はいくつか聴いて知ってたのですが、10月にSpotifyのニューリリースのプレイリストを再生してたら流れてきて、イントロからいきなり引き込まれちゃいました。こういう音作り大好きなんです・・・。MVでもギターやドラムが演奏されているカットが随所に入っており、サウンドに力入ってる感が伝わってきたのも良かった。メンバーの歌唱力も初期よりだいぶ上がってきてるようなのでこれからも期待です。 

 

6位:あまい夢 / 上田麗奈


上田麗奈「あまい夢」 MUSIC VIDEO

「RefRain」が出たときからずっと推している女性声優シンガー上田麗奈さん。声質もあってしっとり系の曲が多いのですが、満を持して出るというフルアルバムのリード曲として発表されたこの曲は、ORESAMA(こっちも大好き)が楽曲提供するポップで華やかな曲。この後に出たシングルもしっとり路線だったので、あくまでメインはそっち系なのかなというのはあるとは思いますが、上田麗奈さんの幅を広げた曲なのではないかなと。 

 

7位:ハミダシモノ / 楠木ともり


楠木ともり「ハミダシモノ」Music Video -Short ver.-

ほんとにこれデビュー曲なの??となるくらいにはいきなり歌唱力もパフォーマンス力も仕上がり具合がすごい楠木ともりさん。ラブライブのニジガクのメンバーだなーくらいの認識だったのでガツンとやられました(そのラブライブでも、第一話でいきなりステージパフォーマンスを披露するような優秀キャラでした)。もともと作詞、作曲などもできるらしく、EP収録の残り3曲は作詞だけでなく作曲もして先行でYouTubeにLyric Videoが上がってたりしました。これでまだ21歳になったばかり。先日また新曲も出ましたがよかったです。

 

 

8位:turn over? / Mr.Children

 

今年はアルバムが出たこともあり新たな名曲も数々誕生したMr.Childrenですが、あえて自分はこれを推したい。アルバムに先駆けた先行配信的な位置づけなものの、ドラマの主題歌にもなってます。ミスチルのシングルといえばがっつりタイアップがついて、5分6分かかってこいなことも多いのですが、これは3:25という短さ、曲調も軽快で音の数も比較的シンプル。わかる人にはわかると思うのですが、「大型タイアップ曲のc/wに入ってるやつ」みたいな感じなんですよね。そんな曲がシングルで出てきた。「こういうのでもやっていけますよ」と言っているような気がして、「そうそう、そういうのもっとちょうだい!」と思わず言いたくなってしまったのでした。

 

9位:I LOVE... / Official髭男dism


Official髭男dism - I LOVE...[Official Video]

昨年「Pretender」で紅白出場にまでこぎつけたOfficial髭男dismが、年明け早々に出してきた新曲。もともとノーダウトのあたりからなんとなく知ってはいたので当初からの人気はわかっていたものの、Pretenderで終わらないグループなんだなというのを思い知らされました。「ピアノポップ」とか形容されるのでなんとなく軽そうなイメージがあるものの、ブラックミュージックの要素が根底にある独特のリズム感とか、単なる「流行りもの」の域は抜け出してるなぁと。手拍子入れたくなっちゃいますね。 

 

10位:お勉強しといてよ / ずっと真夜中でいいのに。


ずっと真夜中でいいのに。『お勉強しといてよ』MV(ZUTOMAYO - STUDY ME)

今年いろいろと新規開拓したなかで、いわゆる「ボカロ転生型」の音楽とも出会えたのは大きかった。有名どころでは「夜に駆ける」で一躍有名になったYOASOBIであったり、ヨルシカであったり。なかでも、「ずとまよ」は良かった。この系統のグループ特有のアニメーションMVの見ごたえがありまくる(よく動く&内容に考察のしがいがある)点に加えて、月並みな表現だけれど、サウンドは中毒性がある。聴き終えたあとにまたもう一周聴きたくなっちゃうような魅力があった。 

 

さてそのままアルバムのほうもいきますよ。楽曲部門と重複する話も多々ありますが、なるべくアルバム全体を通した話をしていけたらなと。

 

アルバム部門

  1. ファルセット / RYUTist
  2. HELP EVER HURT NEVER / 藤井風
  3. SOUNDTRACKS / Mr.Children
  4. CEREMONY / King Gnu
  5. おいしいパスタがあると聞いて / あいみょん
  6. Patrick Vegee / UNISON SQUARE GARDEN
  7. Empathy / 上田麗奈
  8. STRAY SHEEP / 米津玄師
  9. 朗らかな皮膚とて不服 / ずっと真夜中でいいのに。
  10. 今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。 / Kaede (Negicco)

1位:ファルセット / RYUTist


RYUTist - ALIVE【Official Video】

 アイドルファンでない人にも勧めたい素晴らしいアルバムでした。「限られた時間/青春」あたりをテーマとして制作したらしく、先述のナイスポーズ以外にも傑作揃い。リード曲である「ALIVE」はアイドルソングにしては異例の約7分にも及ぶ大曲。でもこれが、多彩な展開と華やかな編曲であっという間に聴けてしまうのです。アルバム全体を通した流れもバッチリでした。是非ともいろんな方に聴いていただきたい一枚。

 

 

2位:HELP EVER HURT NEVER / 藤井風

 
藤井風(Fujii Kaze) - “何なんw”(Nan-Nan) Official Video

はい、楽曲部門もアルバム部門もRYUTistと藤井風でワンツーフィニッシュになっちゃいました。でもまぁ感じたまま並べたら自然とこうなっちゃいましたね。藤井風は昨年秋に出たこの「何なんw」をこのアルバムが出たタイミングで聴いてからハマりました。早速他の収録曲も聴いて、結局出た感想は「(センスありすぎて)何なん・・・」でした。アルバム最後に収録されてる「帰ろう」も良かったですね。歌もピアノも上手いしビジュアルがこの仕上がりなので何やってもかっこいい。

 

3位:SOUNDTRACKS / Mr.Children


Mr.Children 「Documentary film」 from “MINE”

待ってましたよ、名盤。2015年の「REFLECTION」、2018年の「重力と呼吸」と良作続きでしたが、そこからの期待を裏切らない良いアルバムでした。先述したturn over?の「軽さ」はもちろん良かったのですが、この「Documentary film」みたいないい意味でMr.Childrenだな~って感じのじっくり聴かせる曲もちゃんと入りつつ、10曲45分というコンパクトさもまた良し。全編通していえるのは、「バンドの音が聞こえる」ということ。ピアノやストリングスがメインだった時期が長かったので、ギターやドラムの音がしっかり聴こえてくる音作りは嬉しい。今作はドラムの音がとても好みでした。

 

4位:CEREMONY / King Gnu


King Gnu - Teenager Forever

惜しくも楽曲10位以内に入れることができなかったけど、「Teenager Forever」良かったですね。この人たちもまた「『白日』の人」では終わってないと思います。このアルバムは白日を含めタイアップ曲だらけだったのだけど、意外にも一周聴いてて流れもしっくりくる。CMやドラマのために作った曲でも、根底にあるKing Gnuらしさみたいなものは揺るがないのかな…などと思いました。前半がボーカルから始まる曲、後半がイントロがある曲と分けられてるのも関係あるのだろうか?

 

 

5位:おいしいパスタがあると聞いて / あいみょん


あいみょん - 朝陽【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

も~~~これも泣く泣くベスト10に入れられなかった!!「朝陽」良かったです。ヒゲダンとKing Gnuと全く同じこと書いて語彙力の無さは否定できませんが、あいみょんマリーゴールド止まりじゃないし、なんならずっと高水準な曲が出続けてるとすら思える。シングル曲では「ハルノヒ」なんてマリーゴールド以上に聴いたんじゃないかな… あと、今年の紅白でも歌うことが決まった「裸の心」は今年ずっとSpotifyの再生数上位キープでした。

 

 

6位:Patrick Vegee / UNISON SQUARE GARDEN


UNISON SQUARE GARDEN「夏影テールライト」MV

アルバムの趣旨とは外れますが、ユニゾンはコロナ禍で無観客ライブ配信が続いていたなか、かなり早い段階で感染対策を講じつつの有観客ライブを推し進めた立役者でした。彼らの活動が後の他グループへも少なからず影響を与えたはずです。感謝です。そしてそんな中出たこのアルバムですが、もうユニゾンに関してはいちいち細かく語る必要もなく?良い作品でした。「夏影テールライト」良かったですね。今年の夏はロクな思い出も残せず寂しかったですが、その寂しさをすこし埋めてくれたような気がします。 

 

7位:Empathy / 上田麗奈


上田麗奈「アイオライト」 MUSIC VIDEO

(RefRainが良すぎたという背景もあり)前作のほうが好きだった~なんて声も少なからず聞こえた、上田麗奈さん初のフルアルバム。とはいえ今作は取り組んだ姿勢やコンセプトに関心したのもありまして。Empathy、すなわち「共感」なのですが、上田麗奈さんがアニメのキャラクターを声優として演じていくなかで感じた、キャラクターとの「共感」から着想を得て制作していったという経緯があるそうです。この考え方は数ある歌手の中でも、役者を経験している人ならでは、というところがあって非常に面白かった。声優が歌うということの意義というか、ただ単に歌わせてみただけじゃないですよ、という考えに「共感」できた作品だったかなと。

 

 

8位:STRAY SHEEP / 米津玄師


米津玄師 MV「感電」

いやなんかもう改めてこの人のここがスゴい!!とか別にいいですよね…この時代にアルバムが初週でミリオンいってる時点でどうかしてますよ。「感電」はイントロのインパクトが最高で最高でした。

 

 

9位:朗らかな皮膚とて不服 / ずっと真夜中でいいのに。


ずっと真夜中でいいのに。『MILABO』MV(ZUTOMAYO - MILABO)

ずとまよは先述の「お勉強しといてよ」で知ったわけですが、このアルバム収録曲の先行配信第1弾だったんですよね。そのあとも、「MILABO」「低血ボルト」「Ham」のMVと配信が間隔を空けつつ続き、そのあとアルバム発売と。6曲入りのミニアルバムなんですが、この方式で1曲ずつ配信されていっていちいちどの曲もクオリティ高くて驚きました。でもMV作られてない「マリンブルーの庭園」がまた好きだったり。 

 

10位:今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。 / Kaede (Negicco)


Kaede(Negicco) 「ただいまの魔法」作詞・作曲・編曲 和田唱(TRICERATOPS)

NegiccoのKaede(通称かえぽ)のソロアルバム。Negiccoとしてはアイドルグループらしい楽しく踊れる曲も多いですが、ソロはかえぽの優しげな歌声を生かしたしっとりとした曲が多く、やってることが明確に違うので楽しめる。2020年にTRICERATOPSの2020のカバーが聴けたのは嬉しかったですね。しかも正月リリースという。既発曲ではリンクを載せた「ただいまの魔法」がこれまたTRICERATOPS和田唱さん提供で、これがまた合うんですわ。かえぽは取り立てて歌唱力がすごい!とかではないと思うんですが、空気公団だったりスカートだったりの楽曲提供を歌いこなせてしまう、何だか不思議な力を持ってますよね。あと、ご結婚おめでとうございます!

 

以上、楽曲とアルバムのベスト10でした。ここに入れられなかった曲でも良いのありすぎてたので全部説明できなくてもどかしい、というかキリがない。とりあえず今年聴いて気に入った曲たちをプレイリストでまとめているので、これにて供養(?)ということにしたいと思います。上から10曲はランク順、そこから後ろは特に上位下位などなく順不同です。

 

2021年もよい音楽にたくさん巡り会えますように。